今回はファイル名を指定して実行について紹介させていただきます。
Windowsユーザーにとっては非常に便利なツールですので是非ともこの機能を知っていただきたいと思って、今回この記事を書きました。
人それぞれPC操作方法があると思いますが、僕の場合はほぼキーボードに両手を置いた状態であることが通常のPC利用方法になります。本当に出来るだけこの状態を維持しておきたいのです。
右手のキーボードとマウスを行ったり来たりするのが面倒くさくて・・・
あとはマウスを動かすのも面倒くさい時があります。面倒くさいというと語弊がありますね。
「ショートカット方法を知ってマウスを動かすより楽だな」と思うようになった、が正しいですね。
うまく言語化できないですけど、マウス動かすの面倒くさい、はきっと共感してくださる方はいるはず!
この機能を覚えておけば直接ファイルやプログラムを起動することができ、効率的な操作が可能となります。
しかしながら、この便利なツールにもメリットと少しだけデメリットが存在します。
本記事では、「ファイル名を指定して実行」のメリットとデメリットを解説し、効果的な活用方法について探っていきたいと思います。
ファイル名を指定して実行とは?
ファイル名を指定して実行とはWindowsの便利な機能の一つで、特定のプログラムやフォルダー、設定画面などを直接開くためのショートカット機能です。コマンドを入力することにより、検索やアイコンクリックなどを省略して、目的の場所に素早くアクセスすることが出来るようになります。
ファイル名を指定して実行はキーボードの「Windowsキー + R」で開くことが出来ます。
開くと次の画像のようなダイアログが画面左下に表示されますので、そこにコマンドを入力していきます。

メリットとデメリットについて
メリットとデメリットについて先にお伝えしておきます。ご自身のPC利用環境に応じてこの機能を使いこなすことが出来るか検討してみてください。ただ、のちに述べますがデメリットはほとんどないため、一度使って便利なところを体感していただけると嬉しいです。
- 迅速なアクセスが可能になる
ファイル名を直接指定することで、メニューを辿る手間なく目的のファイルやプログラムに素早くアクセスできます。 - 生産性が向上します
コマンドラインを活用することで、多くのタスクを迅速かつ効率的に実行できるため、生産性が向上します。 - 余計なアイコンを排除できる
例えば「コントロールパネル」をデスクトップやタスクバーに配置している場合、配置を取りやめて、コマンドでコントロールパネルを開くことが出来ます。 - スクリプトの自動化(上級者向け)
コマンドを組み合わせることで、タスクの自動化やバッチ処理が可能になり、手動での操作が減少します。
- ユーザーフレンドリーではない
グラフィカルユーザーインターフェースに慣れているユーザーにとっては、コマンド入力が難しく感じることがあります。 - 誤入力のリスク
コマンドの入力ミスによる誤動作や意図しない操作が発生するリスクがあります。 - 互換性の問題
コマンドの一部は特定のWindowsバージョンや設定に依存するため、全ての環境で同じ動作を保証できないことがあります。 - 実行権限がない場合がある
会社PCでしたりログインアカウントに管理者権限がない場合は一部のコマンドが制限されている可能性があります。
一応デメリットについても説明しましたが、これはほぼないものとして考えても大丈夫です。
その理由としてファイル名を指定して実行は過去のコマンドを記憶しているため、覚えておかないといけないわけではないのです。アローボタンから選択することも出来ますし、キーボードの↑↓で選択することも出来ます。「コマンドの記憶について」の項目にてご紹介しますね。
また、現存するWindows10と11で使用可能なコマンドなので、互換性の問題は今のところありません。今後Windows12など次のバージョンにて使用可能かどうか、という面のため記載しておきました。
次項にて操作方法、記憶されたコマンドの実行方法などを紹介していきます。
ファイル名を指定して実行の操作方法
それでは実際にファイル名を指定して実行はどのように行うのか操作方法を見ていきましょう。
本当に簡単です。
- STEP1キーボード「Windows + R」を押します
- STEP2以下のような画面が左下に表示されます
- STEP3「名前」欄に実行したいコマンドを入力し、OKボタンかEnterキーを押します
※以下はメモ帳を開きたいときのコマンド「notepad」を入力した例です - STEP4見事にメモ帳が起動しました
とっても簡単ですね。WindowsキーとRキーだけで起動できるので、左手の指二本で起動できます。
右手のマウスを操作してーという動きがなく、とても楽に感じられるはずですので一度起動してみてください。
コマンドの記憶について
それでは次に、皆さんが心配される「コマンド覚えられないよ」の不安も取り除きたいと思います。
僕自身ファイル名を指定して実行は毎日使いますが、使用頻度の高いコマンド以外の文字列は覚えていません。
というのもちゃんと過去に実行したコマンドは記憶してくれるため、一度実行してしまえば覚える必要がないのです。有難いですねー。
実行画面を起動後に以下のアローボタン(赤枠箇所)を押すと過去に行ったコマンドを選択することが出来ます。
このコマンドは一番上が一番最後に行ったコマンド、一番下が一番最初に行ったコマンドになります。
過去のコマンド数は変更を加えていない限りはおそらく無制限かと思います。

また、「Windows + R」で起動すると名前欄が青く選択状態ですぐに入力可能になっていますよね。
この時にキーボードの↑↓を押しても過去のコマンドを選択することが出来ます。

さらにさらに三つ目もあります。なんと予測変換もしてくれます。
例えば「n」と入力すると過去に実行したことのあるコマンドを選択することが出来ます。

これらの記憶機能によって、両手をキーボードに置いたままアプリやシステム画面を起動することが出来ます。
なんにせよまずはやってみて覚えたほうがいいと思いますので、次項にて実行時のコマンドを紹介していきます。
ファイル名を指定して実行のコマンド一覧
人によっては使わないコマンドもあるかと思いますが、なんとなく他人の使用頻度って気になりませんか…?ということで僕の使用頻度の高いコマンドとして紹介します。
上の段:コマンド名
下の段:簡単な説明
頻度が高いコマンド一覧
control
コントロールパネルを起動します。
cmd
コマンドプロンプトを起動します。「管理者として実行」するためには「cmd」を入力した後に、
「Ctrl +Shift」を押しながらEnterを押すと管理者として起動できます。
powershell
上記コマンドプロンプトより多機能なPowershellを起動します。
「管理者として実行」するためには「cmd」を入力した後に、
「Ctrl +Shift」を押しながらEnterを押すと管理者として起動できます。
.
ドットを入力します。
Windowsにログインしているユーザーのフォルダを起動します。
「ダウンロード」や「ピクチャ」、自分で作成したフォルダへのアクセスが簡単です。
\
半角の¥かバックスラッシュ(\)を入力します。
エクスプローラーのCドライブを起動します。
calc
電卓を起動します。
\\IPアドレス(またはPC名)
IPアドレス(\\192.XX.XX.XX)やPC名を把握している必要がありますが、同じネットワークに接続しているPCにアクセスできます。
そこそこ使うコマンド一覧
excel
お使いのPCにExcelがインストールされていれば、Excelが起動できます。
winword
お使いのPCにWordがインストールされていれば、Wordが起動できます。
excelはそのままなのに、なぜwordは「winword」なのかと思った方、いい着眼点です。
古き時代のMS-DOS用のソフトとして開発されたOfficeですが、Windowsに移行する際にExcelの名称はそのままで、wordは区別するために「winword」(Windows Word)と名前が付けられました。
powerpnt
お使いのPCにPowerpointがインストールされていれば、Powerpointが起動できます。
point部分だけpntになっているのが少しややこしいです・・。
outlook
お使いのPCにOutlookがインストールされていれば、Outlookが起動できます。
snippingtool
スクリーンショットを撮ることができるSnipping Toolを起動します。
参照:好きな範囲を指定するスクリーンショットSnipping Toolとは【Win11】
notepad
メモ帳を起動します。
devmgmt.msc
デバイスマネージャーを起動します。
分かりやすいところで言えばマウスやキーボードに不具合があった場合にチェックするところです。
msinfo32
システム情報を起動します。PCのスペックをチェックすること出来ます。
winver
Windowsのバージョン情報を確認できます。
msconfig
「システム構成」を起動します。
ここではPC起動設定、スタートアップ項目、バックグラウンドサービス、システムツールの起動などを管理できます。また、ブートタブにてWindowsをセーフモードで起動することを選択出来るため、トラブルシューティング時に重宝するツールです。

appwiz.cpl
コントロールパネルの中の「プログラムと機能(インストールされているアプリ一覧)」を起動します。
アプリをアンインストールしたり修復する際に用いますので、使用頻度は低いです。
cleanmgr
ディスクのクリーンアップを起動します。簡易的にディスク内の不要ファイルを削除する機能です。
taskmgr
タスクマネージャーを起動します。
タスクマネージャはCtrl + Shift + escでも起動できますのでお好きな方で。
ncpa.cpl
コントロールパネルの「ネットワーク接続」を起動します。
接続状況やアダプタの確認、IPアドレスの変更、ネットワークに問題が起きた時の確認場所です。
shutdown /r
PCをすぐに再起動します。
※保存しておくものがないか確認してから実施してください。
shutdown /p
PCをすぐにシャットダウンします。
※保存しておくものがないか確認してから実施してください。
gpedit.msc
グループポリシーエディターを起動します。
分かる人には分かる機能であり、操作や設定変更には注意が必要ですが、そこそこ使用するコマンドです。
regedit
レジストリエディターを起動します。
こちらもグループポリシーエディターと同様で分かる人には分かる機能です。グループポリシーエディターより慎重な操作が必要です。最悪の場合PCが起動しなくなることもあります。
まとめ
今回は「ファイル名を指定して実行」の機能とコマンドについて紹介しました。
実は今回紹介した以上のコマンドが存在するのですが、全部覚えても逆に効率が悪くなってしまいますので使用頻度が高い傾向にあるものを紹介させていただきました。
試しに何か1つでも起動方法を確立させて、お仕事などに活かしていただければ嬉しいです。