PCの調子がおかしい・・・動作が重たい
Windows Updateが正常に完了してない・・
上記のように、PCを普段使っていると思わぬ挙動やハプニングが起きますよね。
~が動かない、~が出来なくなったなど、本当に星の数ほどの不具合があります。
身近な例を挙げますと・・・
- PCの起動が遅くなった
- アプリの切り替えが遅い気がする
- 設定通りの挙動をしてくれない
- マイクやスピーカーが使えない
- WindowsUpdateが正常に完了しない
突然上記のような普段と違うことが起こると焦ってしまいますよね。
そういったときにまず実行してほしい対処について紹介いたします。
Windows標準のシステム修復機能「DISM」と「sfc」
まずは簡単にですが「DISM」と「sfc」とは何なのか説明しておきます。
DISM とは?
DISMは正式にはDeployment Imaging Service and Management Toolといい、Windowsのイメージファイルを管理および修復するためのWindows標準ツールです。略してDISMやDISM.exeと言ったりします。
主にシステムのトラブルシューティングや修復に使用され、以下のような機能を提供します。
- イメージの管理:
DISMを使用して、Windowsのイメージファイル(.wimファイルや.vhdファイル)をマウント、アンマウント、キャプチャ、適用することができます。
- コンポーネントストアの修復:
Windowsのコンポーネントストアに問題がある場合、DISMを使用して修復することができます。これにより、システムの安定性とパフォーマンスが向上します。
- 機能の有効化と無効化:
DISMを使用して、Windowsの機能や役割を有効化または無効化することができます。これにより、システムのカスタマイズが容易になります。
DISMは、特にシステムファイルが破損している場合や、Windows Updateが正常に動作しない場合に役立ちます。コマンドラインツールとして提供されており、管理者権限で実行する必要があります。
機能と言われても理解することは難しいかもしれませんが、Windowsの修復をしてくれる機能なんだな、ぐらいの認識でも大丈夫です。
sfc とは?
sfcは正式名称をSystem File Checkerといい、Windowsオペレーティングシステムに組み込まれているツールです。sfcは、特にシステムの安定性やパフォーマンスに問題が発生した場合に役立ち、以下のような動作・特徴があります。
- システムファイルの検査:
システムファイルの整合性を検査し、破損や変更がないかを確認します。
- 自動修復:
破損しているファイルが検出された場合、sfcは自動的にこれらのファイルを修復します。修復には、Windowsのキャッシュに保存されている正しいバージョンのファイルが使用されます。
- 簡単な使用方法:
sfcはコマンドラインツールとして提供されており、sfc /scannowコマンドを実行するだけでシステム全体のスキャンと修復が行われます。
sfcもまた、Windowsの起動に問題がある場合や、特定のアプリケーションが正常に動作しない場合に有効です。管理者権限で実行する必要があり、システムの安定性を維持するための重要なツールの一つです。
DISMよりは実行できることが少ないですが、これもWindowsの修復をしてくれる機能なんだな、ぐらいの認識でOKです。
DISM と sfc の重要性とメリットとは
DISMとsfcの機能について説明した通り、Windowsシステムのメンテナンスとトラブルシューティングにおいて非常に重要な役割を果たします。これらのツールを定期的に使用することで、Windowsシステムの健全性を保ち、長期的な安定性とパフォーマンスを確保することが出来ますので覚えておきましょう。
- システムの安定性の維持:
DISMとsfcは、システムファイルの整合性を確認し、破損したファイルを修復することで、Windowsの安定性を維持します。これにより、システムクラッシュや予期しないエラーの発生を防ぐことができます。
- パフォーマンスの向上:
破損したシステムファイルや不整合があると、システムのパフォーマンスが低下することがあります。DISMとsfcを使用してこれらの問題を修正することで、システムのパフォーマンスを最適化できます。
- トラブルシューティングの効率化:
システムに問題が発生した場合、DISMとsfcは迅速かつ効果的なトラブルシューティングツールとして機能します。これにより、問題の原因を特定し、迅速に修正することが可能です。
- セキュリティの強化:
破損したシステムファイルは、セキュリティの脆弱性を引き起こす可能性があります。DISMとsfcを使用してシステムファイルを修復することで、セキュリティリスクを軽減し、システムを保護することができます。
あまりデメリットがないため、何かあったらDISM と sfc を実行する、と思ってもらって大丈夫です。
DISM と sfc の注意点と実行方法
DISM と sfcの実行方法です。操作は簡単ですが注意点をまずは読んでからお進みください。
0.DISM と sfc の実行にあたっての注意
DISM も sfc もWindows標準で使用できるツールですので別途インストールなどは必要ありません。PCを購入した直後から実行することが可能ですが、先に注意点だけ述べておきます。実行の前に以下について事前に確認しておくことを推奨します。
- 管理者権限の確認:
DISMはシステムファイルにアクセスし、変更を加えるため、管理者権限が必要です。コマンドを管理者として実行するには、スタートメニューから「PowerShell」を検索し、右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- 最新のWindowsアップデートの適用:
DISMを使用する前に、システムが最新の状態であることを確認してください。Windows Updateを実行し、すべての重要な更新プログラムを適用します。これにより、DISMが最新の修正プログラムや機能を使用できるようになります。なお、アップデートが出来ないために実行したい場合はしょうがないと割り切ります。
- インターネット接続の確認:
DISMは、修復に必要なファイルをダウンロードするためにインターネット接続を必要とする場合があります。特に、Windows Updateからファイルを取得する場合は、安定したインターネット接続が重要です。
- バックアップの作成:
システムファイルに変更を加える前に、重要なデータのバックアップを作成することをお勧めします。実行することによってバックアップが消えてしまうことは滅多にありませんが、予期しない問題が発生した場合でも、データを保護することが出来るため作成しておきましょう。
上記問題ないことを確認して、実行へと進みましょう。
1.DISM の実行
DISM と sfc では先にDISMを実行しますので、DISMからやってみましょう。
- STEP1スタートメニューからPowerShellを検索
- STEP2PowerShellを管理者として起動
- CHECKユーザーアカウント制御の選択を求められたら「はい」を選択
「はい」を選択後、画面上部に「管理者」の文字が表示されていたらOKです - STEP3下記のコードを貼り付けてEnterを押します
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
- STEP4〇〇%の表記が出ましたら、DISMが開始されているので100%になるまで待ちます
- STEP5
- CHECKDISMが0%や62.3%等で止まってしまうことがあるようです。心配しなくてもバックグラウンドで動いていますので大丈夫です。数時間から1日かかる場合もございますが、通常通りPC利用してDISM完了まで待ちでOKです。
- CHECKDISM実行時に以下のような赤文字が表示されることがあります。これは何か間違えて実行している可能性があります。画像の例ですと半角スペースが入っていないためのエラーです。STEP3のコードが合っているか確認してください
2.sfc の実行
続けて sfc の実行です。DISMの実行から続いている方はSTEP4から実行ください。
- STEP1スタートメニューからPowerShellを検索
- STEP2PowerShellを管理者として起動
- STEP3ユーザーアカウント制御の選択を求められたら「はい」を選択
「はい」を選択後、画面上部に「管理者」の文字が表示されていたらOKです - STEP4下記のコードを貼り付けてEnterを押します
sfc /scannow
- STEP5〇〇%の表記が出ましたら、sfcが開始されているので100%になるまで待ちます
- STEP6「検証100%が完了しました」というような文章が表示されましたらsfc完了
DISM と sfc の実行結果確認(エラー:0x800f081fや修復できません)
DISM と sfc を実行し、手順通りの結果にならず心配される方は以下をご参照ください。
DISM の結果
DISM を実行した後、場合によっては正常に終了しない場合があります。
下記は一例ですが、エラー:0x800f081f というエラーが表示されています。

表示されるエラーは何個かあり、一概に「この対処が必要」と言えないため、Microsoft公式ページを見て原因特定および対処をすることをお勧めします。
Windows Update の破損とインストールエラーを修正する - Windows Server | Microsoft Learn
sfc の結果
sfc を実行した後、表示される結果を正しく解釈することが重要です。sfcのスキャン結果とその意味についての簡単に説明していきます。
- 「Windows リソース保護は破損したファイルを検出しませんでした」
このメッセージは、システムファイルに問題がないことを示しています。システムは正常に動作しており、特別な対処は不要です。
- 「Windows リソース保護は破損したファイルを検出し、正常に修復しました」
このメッセージは、sfcが破損したファイルを検出し、修復に成功したことを示しています。システムは修復され、問題が解決されたことを意味します。
- 「Windows リソース保護は破損したファイルを検出しましたが、一部のファイルを修復できませんでした」
このメッセージは、sfcが破損したファイルを検出したものの、すべてのファイルを修復できなかったことを示しています。この場合、追加の手動対処が必要です。詳細な情報はログファイルに記録されています。
検出しませんでした、正常に修復しました、であれば文句なしの対処不要ですが、修復できませんでしたについては対処が必要な場合があります。ただし修復できなかったファイルの対処は難しく、原因もさまざまであるため一般的な対処を紹介させていただきます。
sfc の結果(修復できませんでした)への対処
修復できなかったファイルが何なのか特定は困難です。理由としては「人それぞれPCの使い方があり、導入しているソフトや設定しているソフトが異なるため」です。そのためここでは一般的な対処を紹介します。
- DISM の実行 を実施する
DISMを実行してシステムイメージを修復し、その後再度sfcを実行します。これにより、修復できなかったファイルが修復される可能性があります。
- ログファイルの確認
修復できなかったファイルの詳細は、C:\Windows\Logs\CBS\CBS.logに記録されています。このログファイルを確認することで、どのファイルが修復できなかったかを特定し、手動で対処するための手がかりを得ることができますが、おそらく見ても判断つかないと思います。詳しい方のみログファイルから調査が可能と思っておきましょう。
- ファイルの置き換え
DISMを使用してシステムイメージを修復し、その後再度sfcを実行します。これにより、修復できなかったファイルが修復される可能性があります。
- WindowsUpdateを待つ
定期的に行われるWindowsUpdateをお待ちいただき、更新されることで解消出来るか様子を見る・・
DISM と sfc のまとめ
Windowsのシステム修復ツールであるDISMとsfcは、システムの安定性とパフォーマンスを維持するために非常に重要です。DISMは、システムイメージの管理と修復を行う強力なツールであり、特にシステムファイルの破損やWindows Updateの問題に対処する際に役立ちます。一方、sfcはシステムファイルの整合性をチェックし、破損したファイルを自動的に修復するための便利なツールです。
DISMとsfcを適切に使用することで、システムの健全性を保ち、長期的な安定性とパフォーマンスを確保することが出来ます。何かあったときにこのコマンドをとっさに思い出すことは難しいかもしれませんが、覚えておいて損はない機能ですので、快適なPCライフのためにどこかにメモやこのページをブックマークしておいてください!
不具合が多い場合や解消できない事象はパソコンを修理に出すことなどもご検討ください。
